コラム

おかげさま [2012/04/11]

 

日本人は桜が大好き。
 
冬の間じっと耐え忍びながらも着々と用意を進め、春が来たと思ったら全身全霊を込めて花開き、そして風が吹いたら潔く散る。
 
この姿を精神的な鑑(かがみ)としてきたのではないでしょうか。
 
 
桜は、隣の木の様子を見ているわけではありません。
気温も湿度も計っているわけではありません。
 
でも同じタイミングに一斉に花を開かせます。
 
自然というものは本当に不思議なものです。

 

空から日本の島を眺めたいほど、美しいピンクの景色が広がっていますね。
 
 
古来私たちはこの目に見えない不思議な力を、目に見える力より信じていたように思えます。
 
 
日本語に「おかげさま」という言葉がありますね。
 
 
 
あいさつで最近「おかげさまで」と言われていますか?
 
もしくはお聞きになられていますか?
 
 
 
例えば自分が何かで賞をもらったとして、初対面の方がそれを聞いて
 
「受賞おめでとうございます」と祝いの言葉をもらったとき、
 
 
心から「おかげさまで」と言えるでしょうか?
 
 
実は、私は正直少し違和感を感じていました。
 
 
「おかげさま」というのは「その方のお力をお借りできたために」という意味とすると、実際の受賞には関係のない方に対して、
「おかげさま」というのは何やらおかしいように思えたのです。
 
まあ、まわりまわれば、あなたの「お力」をお借りしたことにもなるのだろうと思って使っていました。
 
 
ところが私はこの「おかげさま」の意味を間違っていたのです。
 
 
 
「おかげさま」の漢字は「お陰様」とか「お蔭様」です。
 
 
この「陰・蔭」とは、「目に見えないもの」の意味です。
 
 
宗教的には、神様・仏様・ご先祖様の「霊」という意味です。
 
 
 
つまり「おかげさまで」というのは、「目に見えない大きな力で」、
あるいは「神様、仏様のお力で」という意味で使うものだったのです。
 
 
そう考えると「おかげさまで」という言葉も違和感なく使うことができます。
 
 
私たちは自然の一部でしかなく、見えない大きな力に支えられて生きている。
 
 
反対に言えば、目に見えることや耳にすることだけを信じることは危険だということにもなります。
 
 
今の時代は、目に見えることだけを信じるどころか、目に見えることのなかでも、
都合のいいことだけを信じるような人が増えているようにも思えます。
 
 
花を愛でながら、お酒も楽しみながら、
毎年毎年、桜を一斉に満開にさせるこの見えない力を、感じてみてはいかがでしょうか?
カテゴリ: 今週のニュース

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